癌告知

2015年3月 9日

癌告知
癌告知について思い悩んでいたときにちょうどタイムリーに日本経済新聞の記事に告知は治療の第一歩と癌告知についての記事が載っていました。
内容は心に響くものでした。

そして今まさに患者の家族として癌の告知をいつ、どのような形ですればよいのか悩んでいます。
85歳の父、直腸癌、前立腺癌、そして肺癌・・・個人的に癌の告知は当たり前と考えていましたが、直腸癌の手術を終えてなんとかやっと乗り越えたばかりの状況で、実は肺癌があるらしいと告知するにもタイミングを図ってしまいます。

直腸癌の人工肛門のショックから、なんとか閉鎖手術ができ、生きる気力を取り戻しつつあるように見える父。前立腺癌はなんとか抗がん剤が効いている様子。この時期に85歳という高齢になっている父に、肺癌もあるらしい、と告知するのは「酷知」になるような気がしてしまいます。

医療に関わる仕事についてきていたのに、結局自分の身になって初めて思い知ることも多く、反省させられることも多々あります。

現在の医療は専門が細分化されているので、直腸癌は消化器外科、前立腺癌は泌尿器科、肺癌は呼吸器内科または呼吸器外科、病人はひとりなのに癌は3種類、専門の医師もそれぞれ・・・。結局総合的に父を診てくださる医師は存在せず、その時それぞれに治療方針を決めていくので、他科との連携した治療は中々望めないのが、大病院の現状のような気はします。

医療の進歩により、疾患の治療方法は格段に変化し、癌=死とういうイメージはありませんが、その分治療は複雑化して専門性が高くなり、連携も難しいことも事実だと思います。
ただ、医師からすれば何百例の中の一例に過ぎなくても、患者本人、家族にすれば初めてのことなので、全体にプロデュースしてもらえる主治医が病院にいらっしゃれば、随分違うであろうと思いました。今は在宅での看とりになればかかりつけの地元の主治医の医師が全体に診るようにはなっていますが。

あとは、「酷知」にならないように、告知をして積極的に治療するのか経過観察でようすを診るのか、本人の意思を尊重して進めていければと考えています。
                                           
                                                                                 

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